監修・執筆:薬剤師 メイ
調剤歴15年(製薬会社研究職→調剤薬局・管理薬剤師・在宅薬剤師)。3人の子を育てるママ薬剤師。服薬指導数千件の経験をもとに、正確でわかりやすい薬の情報を発信しています。|プロフィール詳細
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お酒を飲みすぎた翌朝の頭痛・吐き気・だるさ…。二日酔いはつらいですよね。薬局には「ヘパリーゼ」「ウコンの力」「ハイチオールC」など様々な製品が並んでいますが、それぞれ何に効くのでしょうか。薬剤師歴15年の私が、成分と正しい使い方をわかりやすく解説します。
二日酔いはなぜ起こる?仕組みを知ると対策がわかる
二日酔いの原因は一つではなく、複数のメカニズムが絡み合っています。
アセトアルデヒドが主な原因
アルコール(エタノール)は体内で「アセトアルデヒド」に分解されます。このアセトアルデヒドが頭痛・吐き気・動悸・顔の赤みなどの不快症状を引き起こす主犯です。肝臓でさらに無害な酢酸に分解されますが、処理能力を超えた飲酒をするとアセトアルデヒドが血中に長く残り、二日酔いの症状が長引きます。
脱水・低血糖・胃荒れも症状に関係
アルコールには利尿作用があり、飲酒後は脱水状態になりやすいです。脱水は頭痛を悪化させます。また肝臓がアルコール代謝に集中するため血糖値が下がり、だるさや疲労感につながります。さらにアルコールは胃粘膜を直接刺激し、胃炎・吐き気の原因にもなります。
二日酔いの症状別の対処法

症状によって対処法が異なります。闇雲に薬を飲むのではなく、症状に合わせた対応を心がけましょう。
頭痛→まず水分補給、鎮痛薬は慎重に
二日酔いの頭痛は脱水が大きな原因のため、まずスポーツドリンクや経口補水液などで水分・電解質を補給することが最優先です。鎮痛薬を使う場合は、アセトアミノフェン(タイレノールなど)が比較的安全です。アスピリン・イブプロフェン・ロキソプロフェンなどのNSAIDsはアルコールとの併用で胃への刺激が増すため注意が必要です。
吐き気→胃薬で対処
胃粘膜の荒れに対しては、胃粘膜を保護する成分(アズレン・アルジオキサ・スクラルファート配合)や消化を助ける健胃消化薬が有効です。キャベジンコーワや大正漢方胃腸薬などが代表的です。
だるさ・疲労感→肝臓サポート系
アセトアルデヒドの代謝をサポートするため、肝臓の働きを助ける成分(グルクロン酸・肝臓エキス・システイン)を含む製品が役立ちます。ヘパリーゼプラスやハイチオールCなどがこのカテゴリーです。
市販薬の種類と特徴
各カテゴリーの代表的な製品と成分を整理します。
肝臓サポート系(ヘパリーゼプラス・ハイチオールC)
ヘパリーゼプラスには肝臓エキス・ビタミンB群・グルクロノラクトンが含まれ、肝臓の代謝機能をサポートします。ハイチオールCはL-システインを主成分とし、アセトアルデヒドの分解をサポートするとされています。ただしこれらはあくまでサポート的な役割であり、劇的な即効性を期待するものではありません。
ウコン系(ウコンの力・ウコン錠)
ウコン(ターメリック)に含まれるクルクミンは肝臓の働きを助けるとされています。飲む前の予防的な使用で知られていますが、二日酔い後に飲んでも全く意味がないわけではありません。胆石がある方は胆汁分泌を促すため使用を避けてください。
胃腸薬系(キャベジンコーワ・大正漢方胃腸薬)
アルコールによる胃粘膜ダメージには、キャベジンコーワ(メチルメチオニンスルホニウム配合)や大正漢方胃腸薬が有効です。吐き気・胃もたれ・胃部不快感を和らげます。
予防が一番!飲む前・飲み中のコツ
二日酔いは「なってから治す」より「ならないように予防する」のが賢明です。
飲む前にすること
- 食事をしっかり食べてから飲む(空腹での飲酒は吸収が早まり酔いやすい)
- ウコン系・肝臓サポート系を飲んでおく
- 水を多めに飲んでおく(脱水予防)
飲み中に心がけること
- チェイサー(水)を挟む:アルコール1杯につき水1杯が理想
- 一気飲みをしない・ゆっくり飲む
- おつまみ(タンパク質・脂質を含む食事)を食べながら飲む
- 強いお酒(度数の高い順に飲まない)を避ける
- 飲酒後も寝る前に水を1〜2杯飲む
薬剤師から一言:こんな時は受診を
- 嘔吐が止まらない・血が混じる
- 意識がもうろうとする・呼びかけに反応しない
- 翌日以降も症状が全く改善しない
- 黄疸(おうだん)(皮膚・白目が黄色くなる)が出る
- 心臓がドキドキする・胸の痛みがある
よくある質問(FAQ)
Q. 二日酔いの吐き気がひどいときは、何を飲めばいいですか?
A. まず水分をとることが先です。そのうえで、胃のむかつきには制酸成分や胃粘膜を守る成分の入った胃腸薬が向いています。吐き気止め(乗り物酔い薬)を流用するのはおすすめできません。何度も吐いて水も飲めない/意識がはっきりしないときは急性アルコール中毒の可能性があるので、すぐに受診してください。
Q. ウコンは飲む前と後、どちらが効果的ですか?
A. 飲む前にとるのが一般的です。ただしウコン(ターメリック)は、二日酔いを確実に防ぐと証明されたものではありません。また鉄分を多く含む製品があり、肝臓の病気がある方では負担になるという報告もあります。肝機能に指摘を受けたことがある方は、続けて飲む前に医師か薬剤師にご相談ください。
Q. コンビニで買えるもので対処できますか?
A. ある程度は可能です。経口補水液やスポーツドリンクで水分と塩分を補い、糖分のあるものを少し口にするだけでも、頭痛やだるさが和らぐことがあります。ヘパリーゼなどのドリンクを置いている店舗もあります。ただし、これらはお酒の量そのものを帳消しにするものではありません。
まとめ
■ この記事のまとめ
- 二日酔いの主因はアセトアルデヒド+脱水+胃荒れ
- 頭痛→まず水分補給、鎮痛薬を使うならアセトアミノフェン系
- 吐き気→キャベジンコーワなど胃粘膜保護系胃薬
- だるさ・疲労→ヘパリーゼ・ハイチオールCで肝臓サポート
- ウコン系は飲む前の予防に使うのが効果的
- 二日酔い予防には食事・チェイサー・適量が最善策
おすすめ市販薬
🍺 肝臓サポート系(錠剤タイプ・飲み会前後に)
🍺 肝臓サポート系(ドリンクタイプ・飲み会当日に)
🌿 ウコン系(飲む前の予防に)
💊 L-システイン系(アセトアルデヒド分解サポート)
🫃 胃腸薬系(吐き気・胃もたれに)

この記事を書いた人
メイ|現役薬剤師(調剤歴15年)・FP2級
製薬会社の研究職から調剤薬局へ転職し、岩手で管理薬剤師を経験。現在は東京で3人の子どもを育てながら、施設在宅をメインにパート薬剤師として働いています。数千件の服薬指導で実際に受けたご質問をもとに、「難しい薬の知識をわかりやすく」をモットーに発信しています。
※本記事は薬剤師による一般的な情報提供を目的としており、個別の医療アドバイスではありません。気になる症状・服薬内容については必ず担当医・薬剤師にご相談ください。

