「フェルビナク・ケトプロフェン・インドメタシン・ジクロフェナク」など、塗り薬・貼り薬(湿布以外の外用鎮痛薬)にも様々な成分があります。どれを選べばいいか迷う方のために、薬剤師歴15年の私が成分の違いと正しい選び方を解説します。
外用鎮痛薬とは?湿布との違い
外用鎮痛薬とは、皮膚に塗ったり貼ったりすることで局所的に鎮痛・抗炎症作用を発揮する薬の総称です。湿布(パップ剤・テープ剤)もこのカテゴリーに入りますが、ここでは主にクリーム・ゲル・液体タイプの「塗り薬」を中心に解説します。内服の鎮痛薬と比べ、胃への刺激が少ないことが最大のメリットです。
主な有効成分の種類と特徴
①フェルビナク(フェイタス・セルタッチなど)
プロスタグランジンの合成を抑制するNSAIDsです。皮膚への浸透性が高く、筋肉・関節の深部にまで届きやすいとされています。肩こり・腰痛・打撲・捻挫・関節痛に広く使われます。市販の外用鎮痛薬として最もメジャーな成分のひとつです。
- 代表薬:フェイタスZαジクサス、セルタッチパップ
- 効果:筋肉痛・関節痛・腰痛・打撲・捻挫
- 注意:妊娠後期・授乳中は使用不可、15歳未満は不可
②ケトプロフェン(モーラステープなど)
強力な抗炎症・鎮痛作用を持つNSAIDsです。処方薬として有名なモーラステープの成分でもあります。市販品ではモーラスパップXRなどがあります。最大の注意点は「光線過敏症」のリスクです。使用部位に日光が当たると皮膚炎・かぶれが起きやすく、使用中・使用後4週間は患部を日光に当てないことが必須です。
- 代表薬:モーラスパップXR、ケトプロフェンLタッチ
- 効果:関節炎・腱鞘炎・筋肉痛・腰痛
- 注意:光線過敏症に要注意・使用後4週間は日光を避ける。妊娠後期・授乳中は不可
③インドメタシン(インサイド・アンメルツなど)
古くから使われているNSAIDsで、強い抗炎症・鎮痛作用があります。液体タイプ(ローション・チック状)の製品が多く、患部にサッと塗れる手軽さが特徴です。ただしフェルビナク・ケトプロフェンに比べ皮膚への浸透性はやや劣るとされています。
- 代表薬:アンメルツヨコヨコ、インサイドWZ
- 効果:肩こり・腰痛・筋肉痛・関節痛
- 注意:妊娠後期・授乳中は不可、15歳未満は不可
④ジクロフェナクナトリウム(ボルタレンEXなど)
欧米で広く使われているNSAIDsで、日本では比較的新しく市販されるようになりました。皮膚浸透性が高く、深部組織への到達性に優れています。関節痛・スポーツ障害などに高い効果が期待できます。
- 代表薬:ボルタレンEXテープ、ジクロフェナクNaテープ
- 効果:関節痛・筋肉痛・打撲・腰痛
- 注意:妊娠後期は使用不可、他のNSAIDs外用薬との重複使用は避ける
塗り薬・テープ・パップ剤:剤形で選ぶポイント
ゲル・クリームタイプ
患部に直接塗り込むタイプです。マッサージしながら使えるため血行促進効果も加わります。目立ちにくく、衣服に汚れがつきにくいのが利点です。ただし1日3〜4回塗る必要があります。
テープ剤(薄いタイプ)
薄くてかさばらず、関節・手足などの曲がる部位に貼りやすいです。1日1〜2回の貼り替えで持続的に薬が浸透します。皮膚が弱い方はかぶれることがあります。
パップ剤(厚めの湿布)
水分を多く含み、冷感・温感で血行を促します。背中・腰など広い範囲に使いやすいです。ただし関節部分には貼りにくく、蒸れやすいです。
場面別おすすめの選び方
肩こり・デスクワーク疲れ
フェルビナク配合のゲル・クリームを肩・首に塗るのが手軽です。液体タイプのインドメタシン(アンメルツ系)もサッと使えて便利です。
腰痛・ぎっくり腰
急性期(炎症が強い時)はジクロフェナクナトリウム・フェルビナク配合のテープ剤が効果的です。広い面積にはパップ剤も便利です。
スポーツ・捻挫・打撲
受傷直後はRICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)が優先です。腫れが引いてきたらフェルビナクやジクロフェナク配合のテープ剤を使いましょう。
まとめ
■ この記事のまとめ
- 外用鎮痛薬の主な成分:フェルビナク・ケトプロフェン・インドメタシン・ジクロフェナク
- ケトプロフェンは光線過敏症に要注意(使用後4週間日光を避ける)
- ゲル→手軽に塗れる、テープ→持続効果、パップ→広い範囲に
- 肩こり→フェルビナク・インドメタシン塗り薬
- 腰痛・スポーツ障害→ジクロフェナク・フェルビナクテープ
- 妊娠後期・授乳中は全成分とも使用不可
おすすめ市販薬
💊 フェルビナク系(フェイタスZα)
テープタイプとゲルタイプから用途に合わせて選べます。テープは貼りやすい部位に、ゲルは関節など凹凸のある部位に便利です。
🩹 ロキソプロフェン系(ロキソニンEXテープ)
OTC最強クラスの鎮痛力を持つNSAIDsです。ロキソプロフェンナトリウム水和物8.1%配合で、深部の炎症・痛みに直接浸透します。光線過敏症のリスクがないため、ケトプロフェンより使いやすいのが特徴です。関節痛・腰痛・肩の筋肉痛など幅広く使えます。
💧 インドメタシン系(アンメルツヨコヨコ)
ローラー式の液体タイプで、肩・首・腰にサッと塗れる手軽さが人気です。ベタつかず服を着たままでも使いやすく、デスクワーク中の肩こりや日常的な筋肉疲労に重宝します。
💊 ジクロフェナク系(ボルタレンEX)
テープ・ゲル・ローションと剤形が豊富で、部位や好みに合わせて選べるのが魅力です。ローションタイプはさらっとした使い心地で関節など凹凸のある部位にも塗りやすく、Amazonでも最も選ばれている剤形です。深部への浸透性が高く、関節痛・腰痛・スポーツ障害に特に効果的です。
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