監修・執筆:薬剤師 メイ
調剤歴15年(製薬会社研究職→調剤薬局・管理薬剤師・在宅薬剤師)。3人の子を育てるママ薬剤師。服薬指導数千件の経験をもとに、正確でわかりやすい薬の情報を発信しています。|プロフィール詳細
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「子どもが鼻水を垂らしているけど病院に連れて行けない」「市販薬でなんとかなる?」——そんな場面はお子さんを持つ親御さんなら誰でも経験しますよね。
実は、子どもの鼻水・咳止め市販薬は、大人のものと比べてかなり「使える成分が限られている」のが現実です。薬剤師歴15年の筆者が、知っておくべきポイントを年齢別に解説します。
子どもの風邪薬・鼻水薬が難しい理由
2019年の厚生労働省の通知により、12歳未満にコデイン・ジヒドロコデイン含有製品の使用が禁止されました。これは、小児における呼吸抑制リスクが判明したためです。また、鼻水に使われる第一世代抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミン等)は眠気が強く、乳幼児への使用は量の調整が難しいです。
年齢別に使える市販薬
0〜2歳(乳幼児)
基本的に市販薬はほとんど使えません。症状が辛そうなら受診が基本です。
できること(非薬物療法):
- 鼻水吸引器(電動鼻吸い器)で吸引する → 最も安全で効果的
- 加湿器で部屋の湿度を50〜60%に保つ
- 授乳・水分補給をしっかり行う
- 発熱があればアセトアミノフェン(カロナール等)を体重で計算して使用(小児科で処方してもらうのが安心)
2歳〜6歳
一部の市販薬が使用可能になります。ただし用法用量を必ず守ること。
| 製品名 | 成分 | 対応症状 |
|---|---|---|
| こどもバファリンかぜシロップS | アセトアミノフェン | 発熱・頭痛のみ。咳・鼻水には効果なし |
| 宇津こどもかぜシロップ | dl-クロルフェニラミン+デキストロメトルファン+dl-メチルエフェドリン | 鼻水・咳・発熱の総合感冒薬。2歳から使用可 |
| ムヒのこども鼻炎シロップS | dl-クロルフェニラミン | 鼻水・くしゃみに特化 |
7歳〜11歳
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| パブロンエース小児用 | 総合感冒薬。咳・鼻水・発熱に |
| ストナメルティ小児用 | 咳・鼻水に。チュアブルタイプで飲みやすい |
12歳以上
大人用の市販薬がほぼすべて使用可能になります。ただし体重が小さい場合は用量に注意してください。
鼻水吸引器がいちばん頼りになります
薬剤師として特におすすめしたいのが電動鼻水吸引器です。
- 薬を使わず安全
- 寝る前に吸引すると夜間の鼻づまりが楽になる
- 授乳・ミルクの前に吸引すると飲みやすくなる
- 中耳炎の予防にもなる
代表製品:メルシーポット(電動・据え置き)、ピジョン電動鼻吸い器(ハンディ)など。特にメルシーポットは小児科でも推奨されることが多く、長く使えるため、買い替えの負担が少ない製品です。
すぐに受診すべき症状
- 3ヶ月未満の赤ちゃんが発熱している(38度以上)
- 息を吸うたびに胸がへこむ(陥没呼吸)
- ゼーゼー・ヒューヒューと呼吸が苦しそう
- 水分が摂れない・おしっこが出ていない
- ぐったりして反応が悪い
- 耳を痛がる・耳を触り続ける(中耳炎の可能性)
- 鼻水が黄色〜緑色で1週間以上続く(副鼻腔炎の可能性)
よくある質問(FAQ)
Q. 1歳の子に使える市販の鼻水の薬はありますか?
A. 市販の飲み薬は、多くが3か月以上または1歳以上でも「医師の診断を受けてから」という条件がついています。実際には、1歳前後で自己判断の市販薬に頼るのはおすすめできません。まずは鼻水を吸ってあげることが最も効果的で、機嫌が悪い・母乳やミルクが飲めない・眠れないというときは小児科を受診してください。
Q. 病院で出るカルボシステインと同じ成分の市販薬はありますか?
A. あります。L-カルボシステインは市販の去痰薬やかぜ薬にも配合されていますが、多くは大人向けか、対象年齢が決められています。小児科でよく処方されるのは体重に合わせた量なので、市販薬で同じように使うことはできません。長引く鼻水・痰が続くときは受診してください。
Q. 鼻水が黄色や緑色になりました。受診したほうがいいですか?
A. 色がついただけで、すぐに抗菌薬が必要とは限りません。かぜの経過で数日たつと自然に色がつくことはよくあります。ただし、10日以上続く/いったん良くなってから悪化した/高い熱が出た/目の周りが腫れたという場合は、副鼻腔炎(ふくびくうえん)などを起こしていることがあるので受診してください。
まとめ
■ この記事のまとめ
- 2歳未満は市販薬がほぼ使えない。鼻吸いと加湿が最善
- 12歳未満にコデイン系は使用禁止
- 電動鼻水吸引器は最も安全で効果的な非薬物療法
- 呼吸困難・ぐったり・乳幼児の高熱はすぐ受診
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この記事を書いた人
メイ|現役薬剤師(調剤歴15年)・FP2級
製薬会社の研究職から調剤薬局へ転職し、岩手で管理薬剤師を経験。現在は東京で3人の子どもを育てながら、施設在宅をメインにパート薬剤師として働いています。数千件の服薬指導で実際に受けたご質問をもとに、「難しい薬の知識をわかりやすく」をモットーに発信しています。
※本記事は薬剤師による一般的な情報提供を目的としており、個別の医療アドバイスではありません。気になる症状・服薬内容については必ず担当医・薬剤師にご相談ください。

