「パートだから、住宅ローンは無理だろう」
私もそう思っていました。でも組めました。勤続1年未満、私ひとりの名義、手取りは月22万円ほど。子育て中のパート薬剤師です。
ただし、全部の金融機関が通ったわけではありません。ネット銀行は、申し込んだところが全部だめでした。理由はどこも同じで「パートだから」です。
通ったのは、窓口のある地域の金融機関でした。
ネット銀行で落ちて、そこで諦めてしまう方がいると思います。私も危うくそうなるところでした。この記事は、そのときに知っておきたかったことをまとめたものです。
📝 この記事でわかること
- ネット銀行と地域の金融機関で、審査の結果がどう違ったか
- 勤続1年未満で、年収の証明が出せないときに何を提出したか
- 「薬剤師だから」がどこまで効いて、どこから効かなかったか
- 金融機関を選ぶとき、私が最後の決め手にしたこと
1. まず結論。どこが通って、どこが落ちたか
| 申し込み先 | 結果 | 言われたこと |
|---|---|---|
| ネット銀行 | 全部だめ | パートであること |
| 地域の信用金庫 | 通った | 「薬剤師だから大丈夫」 |
| JA | 通った | 同上 |
| もう1行(窓口あり) | 通ったが見送り | 自宅から遠かったため |
ネット銀行と、窓口のある金融機関で、はっきり結果が分かれました。
あくまで私ひとりの例で、金融機関や時期、その人の状況によって結果は変わります。それでも、ネット銀行だけを見て判断するのは早いとは言えると思います。
2. 私の条件を、そのまま出します
隠しても参考にならないので、申し込んだときの状況をそのまま書きます。
| 項目 | 私の場合 |
|---|---|
| 雇用のかたち | パート(正社員ではありません) |
| 勤続年数 | 1年未満 |
| 収入 | 手取りで月22万円ほど |
| 名義 | 私ひとり。収入合算もペアローンもなし |
| 職種 | 調剤薬局の薬剤師 |
| 提示された借入可能額 | 1,800万円 |
| 実際に借りた額 | 1,000万円・20年・変動金利 |
事情があって、それまでのローンを私の名義で組み直すことになりました。もともと3,300万円が残っていたものを、頭金を入れて1,000万円まで減らしています。
1,800万円まで貸せると言われましたが、そこまでは借りませんでした。この判断は別の記事に書きます。
3. 年収の証明が出せないとき、何を出したか
転職したばかりだったので、源泉徴収票がありませんでした。前の職場のものはありますが、いまの収入を示すものがない。
ここで出したのが半年分の給与明細です。
📄 勤続1年未満で出したもの
- 半年分の給与明細(年収の証明の代わりとして)
- 薬剤師免許の写し
- そのほか、一般的な本人確認の書類
ただし、最初からうまくいったわけではありません。
夏に一度相談に行ったときは、3,300万円をそのまま借りるつもりでした。このときはまともに取り合ってもらえませんでした。「審査も出せない」という言われ方でした。
年末になって、あらためて相談に行きました。勤続1年が目前になるのを待って、借りる額も下げてからの出直しです。返済が始まったのは、翌年の4月でした。
⚠️ 最初に断られても、それで終わりではありません
私は1回目に門前払いされています。変えたのは、借りる額と、申し込む時期の2つだけです。条件が変われば、同じ窓口でも話が変わることがあります。
実際にかかった時間
どれくらい時間がかかるのか、私も知りたかったので書いておきます。
| 時期 | 起きたこと |
|---|---|
| 夏 | 初めて相談。3,300万円のままだったので取り合ってもらえず |
| 秋 | 借入額を下げる方法を考える。保険の解約を決める |
| 年末 | 勤続1年が目前になったので、あらためて相談 |
| 冬 | 書類を出しに、何度も窓口へ通う |
| 翌年の4月 | 返済スタート |
長かったようで、振り返ると早かったようにも思います。思い立ってすぐ借りられるものではないので、動くなら早めがよいです。
4. 「薬剤師だから大丈夫」と、何度も言われました
これは正直、驚きました。相談のあいだ、担当の方から何度もこう言われたからです。
💬 実際に言われたこと
「薬剤師だから大丈夫ですよ」
「国家資格だから強いです」
いちばん驚いたのは、審査の途中のことです。私はそのとき転職活動もしていました。審査中に職場が変わるかもしれない、というのは普通なら不利になるはずです。
正直に伝えたところ、保険会社からこう返ってきました。
💬 審査中の転職について
「薬剤師への転職なら問題ありません」
結局そのときは転職しませんでしたが、資格で食べていける職業は、こういうところで見られているのだと実感しました。
ただし、資格で何でも通るわけではありません
ここは正直に書いておきます。
最初に3,300万円をそのまま借りようとしたときは、「審査も出せない」と言われました。薬剤師であることは加点にはなりますが、返せる額かどうかが先です。
「薬剤師だから何とかなる」ではなく、「借りる額を自分の収入に合わせれば、薬剤師であることが後押しになる」という順番だと思います。
5. ネット銀行で落ちても、そこで終わりにしないでください
この記事でいちばん伝えたいのは、ここです。
| ネット銀行 | 窓口のある地域の金融機関 | |
|---|---|---|
| 審査のしかた | 書類が中心 | 人が話を聞く |
| パートの扱い | 区分ではじかれやすい | 事情を説明できる |
| 金利 | 低いことが多い | 高めのことが多い |
| 手間 | 少ない | 何度も通うことになる |
ネット銀行は金利が低いので、誰でもまずそこを見ます。そして落ちて、「パートだから無理なんだ」と結論を出してしまう。私もその一歩手前にいました。
もうひとつ、気づいたことがあります
金融機関のページには、こういう条件が書かれていることがあります。
🔍 別々に書いてあるもの
- ひとり親の方も申し込めます
- 勤続1年未満でも申し込めます
- パートの方も申し込めます
どれも別々に書いてあって、「重なった人はどうなのか」は書いてありません。
私は3つとも当てはまっていました。だから「自分は無理だろう」と思っていました。
でも、実際には通りました。書いていないことは、だめという意味ではありません。窓口で聞いてみないと、わかりません。
私がその窓口を知ったのも、同じ立場の同僚から教えてもらったからでした。調べただけでは、たどり着けなかったと思います。
6. 最後の決め手は、金利でも対応でもありませんでした
2つ通ったので、選ぶことになりました。選んだ理由は、正直に言うとこれです。
📍 決め手
職場と自宅から近かったから。
金利は、安いほうではありませんでした。対応も、よかったとは言えません。融資に不慣れな担当者にあたってしまい、手続きがなかなか進みませんでした。何度も別のところに変えようかと考えました。
それでも変えなかったのは、借りるまでに何度も窓口へ通う必要があったからです。
ネットで完結しない代わりに、書類を出しに行き、聞かれたことに答え、また行く。これを仕事と子育ての合間にやります。そのとき、近さがそのまま「続けられるかどうか」になりました。
金利の差は数字で見えますが、通えるかどうかは、申し込む前には見えません。ここは先に考えておくとよいと思います。
7. 団信のこと
私ひとりの名義なので、もしものときに家がどうなるかは考えました。
団体信用生命保険(団信)には入りました。これに入っていれば、返せなくなるような事態になっても、残りのローンが精算されます。
ひとりで返していく場合、ここの意味はとても大きいです。金利が少し上がっても、入れるなら入っておきたいものだと思っています。
8. 頭金をどうやって作ったか
3,300万円を1,000万円まで減らしています。使ったのはこの2つです。
| 出どころ | 金額 |
|---|---|
| 積み立て型の生命保険を解約 | 1,200万円 |
| 貯金から | 残りの差額 |
保険の解約は、迷いました。長く積み立ててきたものですし、途中で解約すると受け取れる額は減ります。
それでも解約したのは、借入額を下げないと、そもそも審査が通らなかったからです。3,300万円のままでは「審査も出せない」と言われていました。
ここは人によって判断が分かれるところです。保険を残したほうがよい方もいます。私の場合は、家に住み続けることを優先しました。
9. 窓口に行く前に、用意しておくとよいもの
私が「先に知っていれば、もっと早く進んだ」と思ったものです。
✅ 持っていくもの・決めておくこと
- 直近の給与明細(勤続1年未満なら半年分そろえておく)
- 薬剤師免許の写し。資格を見せられる形にしておく
- 借りたい額と、毎月返せる額。ここが決まっていないと話が進みません
- 自宅と職場から通える窓口かどうか。何度も行くことになります
- いま入っている保険の解約返戻金がいくらか(頭金に回すか考えるため)
とくに「毎月いくらなら返せるか」は、先に決めておいてください。私はここが曖昧なまま1回目の相談に行って、話が止まりました。
借りられる額と、返せる額は違います。私は1,800万円まで貸せると言われましたが、1,000万円にしました。
まとめ
📋 この記事のまとめ
- パート・勤続1年未満・単独名義でも、地域の信用金庫とJAは通った
- ネット銀行は「パートだから」で全部だめだった。ここで諦めないでほしい
- 年収の証明が出せないときは、半年分の給与明細を出した
- 「薬剤師だから大丈夫」と何度も言われた。審査中の転職も問題なしと言われた
- ただし3,300万円は「審査も出せない」。資格より先に、返せる額かどうか
- 「ひとり親OK」「勤続1年未満OK」「パートOK」は別々に書いてあるだけ。重なっていても聞いてみる価値がある
- 選ぶ決め手は金利ではなく「通えるかどうか」だった
ひとつだけ、申し上げたいことがあります。
申し込む前に自分で線を引かないでください。私は「パートだから」「勤続1年未満だから」と思って、ずいぶん長いあいだ動けませんでした。実際に窓口で話してみたら、思っていたのと違いました。
薬剤師という資格は、こういう場面で効きます。働き方を変えても、資格は手元に残ります。
薬剤師としての働き方そのものを考えている方は、こちらもどうぞ。→ 保育園のお迎えに間に合わない。管理薬剤師を辞めてパートになった話
よくある質問(FAQ)
Q. パートでも本当に住宅ローンは組めますか
A. 組めた例があります。私はパート・勤続1年未満・単独名義で、地域の信用金庫とJAの2か所が通りました。ただしネット銀行はすべてだめでした。金融機関によって扱いがまったく違います。結果はその人の収入・借入額・物件・時期によって変わるので、ひとつ落ちただけで結論を出さず、窓口のあるところにも相談してみてください。
Q. 勤続1年未満でも申し込めますか
A. 申し込めました。源泉徴収票が出せなかったので、半年分の給与明細を提出しています。ただし私も、最初の相談では取り合ってもらえませんでした。借りる額を下げて、勤続1年が近づいてから出直したことで話が進みました。急がないのであれば、勤続年数が積み上がるのを待つのもひとつです。
Q. ネット銀行はなぜ通らなかったのですか
A. 理由として伝えられたのは「パートだから」でした。ネット銀行は書類で機械的に判断する部分が大きく、雇用のかたちで区分されやすいようです。窓口のある金融機関は、担当の方に事情を説明できます。そのぶん金利は高めで、何度も通うことになります。手間と条件のどちらを取るかになります。
Q. 薬剤師だと審査で有利になりますか
A. 後押しにはなりました。「国家資格だから強い」と何度も言われましたし、審査中に転職活動をしていることを伝えても「薬剤師への転職なら問題ない」と言われました。ただし万能ではありません。収入に対して大きすぎる額を申し込んだときは「審査も出せない」と言われています。借りる額が先、資格はそのあとです。
Q. 頭金はいくら必要でしたか
A. 決まった額があるわけではありません。私の場合は、借入額を下げないと審査に進めなかったので、積み立て型の生命保険を解約して1,200万円を入れ、さらに貯金からも出しました。結果として3,300万円が1,000万円になっています。保険の解約は人によって判断が分かれます。途中解約で受け取れる額は減りますし、保障もなくなります。私は住み続けることを優先しました。
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この記事を書いた人
メイ|現役薬剤師(調剤歴15年)・FP2級
製薬会社の研究職から調剤薬局へ転職し、岩手で管理薬剤師を経験。現在は東京で3人の子どもを育てながら、施設在宅をメインにパート薬剤師として働いています。数千件の服薬指導で実際に受けたご質問をもとに、「難しい薬の知識をわかりやすく」をモットーに発信しています。
※本記事は筆者が実際に経験したことの記録であり、個別の金融相談・投資助言ではありません。審査の基準や結果は金融機関・時期・申込者の状況によって大きく異なります。記載の金額・金利・条件は筆者の一例です。借入や保険の解約を検討される際は、必ずご自身で各金融機関の窓口や保険会社にご確認のうえ、ご判断ください。

