監修・執筆:薬剤師 メイ
調剤歴15年(製薬会社研究職→調剤薬局・管理薬剤師・在宅薬剤師)。3人の子を育てるママ薬剤師。服薬指導数千件の経験をもとに、正確でわかりやすい薬の情報を発信しています。|プロフィール詳細
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夜中に、子どもの体が急に熱くなる。 あの瞬間の心細さは、何度経験しても慣れないですよね。 「解熱剤を使っていいのか」「何度になったら使えばいいのか」「市販薬でも大丈夫なのか」 15年の調剤経験のなかで、子どもの解熱剤のご相談は特に多くいただいてきました。 知っておくだけで、いざというときに落ち着いて動けます。順番にお伝えします。⚠️ この記事をお読みになる前に 子どもの薬の使用は、必ずかかりつけ小児科医・薬剤師に相談してください。この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療アドバイスではありません。
子どもの解熱剤は「アセトアミノフェン」が基本
子どもの解熱・鎮痛で、いま最もすすめられているのがアセトアミノフェンです。 小児用の解熱剤として広く使われていて、決められた量・使い方を守った場合の安全性の実績が豊富にあります。 ここからは、必ず知っておいてください。 大人用の鎮痛剤として身近なイブプロフェンやアスピリンを、子どもに使うのは危険です。 特にアスピリンは、15歳未満への使用が禁忌(使ってはいけない)とされています。 ウイルス感染のときに使うと、「ライ症候群(脳や肝臓に重い障害が起こる病気)」という重い状態を引き起こす可能性があるためです。 家にある大人の薬を半分に割って飲ませる。これだけは、やめてください。| 成分 | 子どもへの使用 | 注意点 |
|---|---|---|
| アセトアミノフェン | 推奨 | 体重に合った用量を守ることが重要。用量を超えると肝障害のリスク |
| イブプロフェン | 医師に相談 | 小児用製品あり。脱水・腎機能への影響に注意。水痘・インフルエンザ時は避ける |
| アスピリン | 15歳未満は禁忌 | ライ症候群のリスク。バファリンAにも含まれるため注意 |
| ロキソプロフェン | 小児への適応なし | ロキソニンSは15歳未満には使用しない |
何度になったら解熱剤を使う?
「熱が出たら、すぐ解熱剤」は、必ずしも正解ではありません。 発熱は、体がウイルスや細菌と戦っているサインでもあるからです。 使うかどうかは、体温の数字だけでなく、お子さんの様子を見て決めてください。解熱剤を使う目安(一般的な考え方) ・38.5℃以上で、ぐずる・眠れない・食べられないなど、つらそうにしているとき ・体温よりも「お子さんのつらさ」を基準にすることが大切 ・38℃台でも元気に遊んでいる場合は、無理に使う必要はないことが多い ・ただし、3ヶ月未満の乳児の発熱は必ず小児科を受診してください
体重別の用量の目安
アセトアミノフェンの用量は、「体重1kgあたり10〜15mg」が基本です。 体重に合った量を守ること。これが、安全に使うための最重要ポイントです。| 体重の目安 | 1回の用量目安 | 年齢の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 約10kg | 100〜150mg | 1歳前後 | 必ず医師に相談 |
| 約15kg | 150〜225mg | 3〜4歳前後 | 体重で計算を |
| 約20kg | 200〜300mg | 5〜6歳前後 | 体重で計算を |
| 約30kg | 300〜450mg | 8〜9歳前後 | 体重で計算を |

⚠️ 重要 上記はあくまで目安です。実際の用量は必ずかかりつけ医・薬剤師に確認してください。また、解熱剤は1日に使える回数・間隔が決まっています(通常4〜6時間以上あけて1日3〜4回まで)。短時間に繰り返し使うことは避けてください。
解熱剤を使うときの注意点
座薬と飲み薬、どちらがいい?
アセトアミノフェンには、飲み薬(シロップ・粉薬)と座薬があります。 吐いていて飲めないときは、座薬が有効です。 両方処方されているときは、飲み薬が先、飲めなければ座薬、という順番が基本です。ただし、必ずかかりつけ医の指示に従ってください。解熱剤を使っても熱が下がらないとき
解熱剤は、熱を完全に下げる薬ではありません。つらさをやわらげる薬です。 38℃台まで下がれば、十分なことも多いんです。 「使っても下がらない」からと、繰り返し使うのは危険です。良くならないときは、医療機関を受診してください。現場エピソード
「熱が下がらないから、1時間おきに解熱剤を使いました」とおっしゃった保護者の方がいました。お気持ちは、よくわかります。でも、解熱剤の使いすぎは肝臓への負担になります。「効かないから増やす」ではなく、「よくならないから受診する」。この順番でお願いします。
すぐに救急・受診すべき症状
次の症状があるときは、迷わないでください。 解熱剤で様子を見るのではなく、すぐに医療機関を受診してください。| こんな症状があったら | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 生後3ヶ月未満の発熱 | すぐに受診 | 免疫機能が未熟で重症化しやすい |
| けいれんが起きた・意識がない | 救急車 | 熱性けいれんや重篤な状態の可能性 |
| 水分を全く取れない・ぐったりしている | すぐに受診 | 脱水・重症感染症の可能性 |
| 発熱が5日以上続く | 受診を | 川崎病・その他の疾患の可能性 |
| 首が硬い・頭痛がひどい・光を嫌がる | 救急車 | 髄膜炎の可能性 |

よくある質問(FAQ)
Q. 解熱剤を使うと病気が長引くと聞きました。使わないほうがいいですか?
A. 熱そのものは体がウイルスと戦っている反応なので、数字が高いというだけで無理に下げる必要はありません。解熱剤の目的は「熱を下げること」ではなく、つらさを和らげて水分をとったり眠ったりできるようにすることです。ぐったりして飲めない・眠れないときに使う、と考えてください。
Q. 解熱剤は、何時間空ければまた使えますか?
A. 小児用のアセトアミノフェンは、4〜6時間以上空けるのが目安で、1日3回程度までとされています。ただし製品によって決まりが違うので、必ず箱の記載を確認してください。飲み薬と座薬を続けて使うのも「2回分」にあたります。どちらか一方にしてください。
Q. 市販の子ども用の解熱剤は、何歳から買えますか?
A. 製品によって違い、生後3か月以降から使えるものもあれば、3歳以上・7歳以上と決められているものもあります。年齢と体重の両方を確認してください。とくに生後3か月未満の発熱は市販薬を使わず、すぐに受診してください。また、15歳未満にはアスピリンやイブプロフェンを含む大人用の解熱鎮痛薬を使わないでください。
まとめ
- 子どもの解熱剤はアセトアミノフェンが基本。アスピリンは15歳未満に禁忌
- 解熱剤を使う目安は「体温よりもつらそうかどうか」。38.5℃以上でぐったりしているときが一般的な目安
- 用量は体重で決める。必ずかかりつけ医・薬剤師に確認する
- 解熱剤を短時間に繰り返し使うのは危険。改善しない場合は受診を
- 生後3ヶ月未満の発熱・けいれん・意識障害はすぐに救急受診
子どもの薬について不安な方へ
「この解熱剤は使っていい?」「用量はどのくらい?」など、子どもの薬についての疑問はかかりつけ薬局の薬剤師にお気軽にご相談ください。処方薬・市販薬どちらのご相談も承ります。
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この記事を書いた人
メイ|現役薬剤師(調剤歴15年)・FP2級
製薬会社の研究職から調剤薬局へ転職し、岩手で管理薬剤師を経験。現在は東京で3人の子どもを育てながら、施設在宅をメインにパート薬剤師として働いています。数千件の服薬指導で実際に受けたご質問をもとに、「難しい薬の知識をわかりやすく」をモットーに発信しています。
※本記事は薬剤師による一般的な情報提供を目的としており、個別の医療アドバイスではありません。子どもの薬の使用については必ず小児科医・薬剤師にご相談ください。

