高齢者が特に気をつけたい薬5選

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「お父さんの薬が多すぎて心配」「高齢の母が転んでから薬のことが気になっている」——介護をされているご家族からこうした相談を受けることが、現場では増えています。高齢者の薬の問題は、若い世代と同じように考えることができません。体の変化・複数の病気・多くの薬が重なることで、思わぬリスクが生じることがあります。15年間の調剤経験から、特に気をつけてほしい5つのポイントをお伝えします。

この記事は高齢者本人とその家族・介護者の方に向けた情報提供です。薬の変更・中止は必ず担当医・薬剤師に相談してください。自己判断での薬の調整は行わないでください。

高齢者の薬が難しい理由——体の変化を知る

高齢になると、薬の効き方が変わります。主な理由は3つです。

まず腎機能・肝機能の低下です。薬は主に腎臓や肝臓で代謝・排泄されますが、これらの機能が低下すると薬が体内に長くとどまり、同じ量でも効果や副作用が強く出ることがあります。次に体脂肪率の変化と筋肉量の減少です。脂溶性の薬は体脂肪に蓄積しやすくなり、効果が長引くことがあります。そして複数の病気を抱えることで処方される薬の数が増え、飲み合わせのリスクが高まります。

知っておきたい「ポリファーマシー」という問題

ポリファーマシーとは、複数の薬を同時に服用することで有害な影響が生じる状態のことです。一般的に6種類以上の薬を服用している状態がポリファーマシーのひとつの目安とされています。

ポリファーマシーが問題になるのは、薬の数が増えるほど飲み合わせによる副作用・飲み間違い・飲み忘れのリスクが高まるからです。現場では「病院が増えるたびに薬も増えた」という方が多く、複数の診療科から似た成分の薬が重複して処方されているケースも見受けられます。

現場エピソード

内科・整形外科・泌尿器科の3つにかかっていた患者さんのお薬手帳を確認したところ、合計11種類の薬が処方されていました。同系統の鎮痛剤が2種類重複しており、かかりつけ薬局でその情報を担当医に共有。処方を整理していただき、最終的に7種類になりました。「こんなに減らせるとは思わなかった」とご本人もご家族も驚かれていました。

特に気をつけたい薬5選

① 睡眠薬・抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬・抗不安薬は、高齢者では特に注意が必要な薬のひとつです。若い世代より薬が体内に長くとどまりやすく、翌朝まで眠気が残ったり、ふらつきが生じたりすることがあります。

高齢者の転倒・骨折の原因として、この種の薬の影響が指摘されています。「夜中にトイレに起きたときにふらついて転んだ」というケースは現場で非常に多く見かけます。睡眠薬を飲んでいる高齢者の方がいるご家庭では、夜間のトイレへの移動に特に注意してください。

② 降圧薬(血圧を下げる薬)

高血圧の治療は重要ですが、高齢者では血圧を下げすぎることによる「立ちくらみ・起立性低血圧」が問題になることがあります。急に立ち上がったときにふらつく、めまいがするという症状は、降圧薬が効きすぎているサインかもしれません。

また、食事量が減ったり、体調を崩したりすると血圧が下がりやすくなるため、いつもと同じ量の降圧薬でも効きすぎることがあります。「最近よくふらつく」と感じたら、担当医に相談してください。

③ 糖尿病薬(特にSU薬・インスリン)

高齢者の糖尿病治療では、低血糖が特に危険です。食事量が少ない日・体調が悪い日に薬やインスリンをいつも通り使うと、低血糖を起こすリスクが高まります。低血糖は意識障害・転倒・骨折の原因になるだけでなく、高齢者では症状に気づきにくいことがあります。

「食欲がないからご飯を食べなかった」という日は、必ず担当医か薬剤師に相談してください。「シックデイルール(病気の日のルール)」として薬の量を調整する指示が出ているケースもあります。

④ 抗コリン薬(含む成分に注意)

抗コリン作用を持つ薬は、高齢者では口の渇き・便秘・尿閉・認知機能への影響が出やすいとされています。処方薬だけでなく、市販の風邪薬・鼻炎薬・胃腸薬にも抗コリン成分(ジフェンヒドラミンなど)が含まれていることがあります。

「最近物忘れが増えた気がする」「便秘がひどくなった」という変化が、市販薬の成分によるものというケースも現場では見受けられます。

⑤ 腎機能に影響する薬(NSAIDs・一部の抗菌薬)

イブプロフェン・ロキソプロフェンなどのNSAIDs系鎮痛剤は、腎機能が低下している高齢者では特に注意が必要です。腎臓への血流を減らす作用があるため、腎機能をさらに悪化させる可能性があります。

「市販の鎮痛剤だから大丈夫」とは言い切れないのが高齢者の薬の難しさです。腎機能の状態を把握している担当医・薬剤師に、市販薬の使用前に必ず相談してください。

薬の種類 高齢者での主なリスク 気をつけたいサイン
睡眠薬・抗不安薬
(ベンゾジアゼピン系)
翌朝の眠気・ふらつき・転倒・骨折 夜間トイレ時のふらつき・朝の眠気が強い
降圧薬 立ちくらみ・起立性低血圧・転倒 立ち上がり時のめまい・ふらつき
糖尿病薬・インスリン 低血糖・意識障害・転倒 食欲低下時の低血糖症状・冷や汗・ぼんやり感
抗コリン薬
(市販薬にも含まれることあり)
口の渇き・便秘・尿閉・認知機能への影響 急な物忘れ・便秘悪化・排尿困難
NSAIDs系鎮痛剤 腎機能悪化・胃腸障害 むくみ・尿量の変化・胃の不快感
高齢者が特に気をつけたい薬5選

「お薬相談外来」「服薬情報等提供」を活用する

薬の数が多くて不安という方には、かかりつけ薬局での「服薬情報等提供サービス」の活用をおすすめします。薬剤師がすべての薬を一元管理し、重複や問題のある飲み合わせがないかを確認したうえで、担当医に情報提供することができます。

また、一部の病院では「ポリファーマシー外来」「お薬相談外来」を設けているところもあります。「薬が多すぎて管理が大変」「薬を減らせないか相談したい」という場合は、かかりつけ医に相談してみてください。

まとめ:高齢者の薬管理で大切な3つのこと

  • 睡眠薬・降圧薬・糖尿病薬・抗コリン薬・NSAIDs系は高齢者で特に注意が必要
  • ポリファーマシー(多剤服用)は転倒・副作用・飲み間違いのリスクを高める
  • 「最近ふらつく」「物忘れが増えた」などの変化は薬の影響かもしれない——担当医・薬剤師に相談を
  • 市販薬でも抗コリン成分・NSAIDsは高齢者には注意が必要。必ず薬剤師に確認を
  • かかりつけ薬局での一元管理・服薬情報提供サービスを積極的に活用する

あわせて読みたい:お薬手帳の正しい使い方 / お薬手帳を持ち歩かないリスク / 患者さんがよくする薬の思い込み10選

高齢のご家族の薬について心配な方へ

「薬が多すぎて不安」「最近ふらつくようになった」など、お薬のことでご心配があればかかりつけ薬局の薬剤師にご相談ください。ご本人と一緒に、またはご家族だけでのご相談もお受けします。

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この記事を書いた人

メイ|現役薬剤師

調剤薬局に勤続15年の現役薬剤師。服薬指導と医薬品情報管理(DI)を専門とし、これまで数千件以上の服薬指導に携わってきました。「難しい薬の知識をわかりやすく」をモットーに、現場のリアルな経験をもとに発信しています。→ プロフィール詳細はこちら


※本記事は薬剤師による一般的な情報提供を目的としており、個別の医療アドバイスではありません。薬の変更・中止は必ず担当医・薬剤師にご相談ください。

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