監修・執筆:薬剤師 メイ
調剤歴15年(製薬会社研究職→調剤薬局・管理薬剤師・在宅薬剤師)。3人の子を育てるママ薬剤師。服薬指導数千件の経験をもとに、正確でわかりやすい薬の情報を発信しています。|プロフィール詳細
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ほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)、イライラ、気分の落ち込み、疲れやすさ——。40代後半から50代にかけて多くの女性が経験する更年期の不調は、原因が一つに絞れず「病院に行くほどでもないけれど、つらい」と感じる方が少なくありません。そんなとき、セルフケアの選択肢になるのが市販の女性向け医薬品や漢方です。この記事では、命の母をはじめとする市販薬と、代表的な漢方(加味逍遙散・桂枝茯苓丸・当帰芍薬散)の違いと選び方を、薬剤師がわかりやすく解説します。
更年期の不調はなぜ起こる?
更年期は、閉経をはさんだ前後約10年間を指します。この時期は女性ホルモン(エストロゲン)が大きく揺らぎながら減っていくため、自律神経のバランスが乱れ、心身にさまざまな症状が現れます。代表的なのは、ほてり・のぼせ・発汗・冷え・動悸・イライラ・不眠・気分の落ち込みなどです。
症状の出方には個人差が大きく、複数が入りまじって現れるのが特徴です。だからこそ、複数の生薬をバランスよく配合した市販薬や、体質に合わせた漢方が選びやすいのです。
まず試しやすい「命の母」シリーズ
更年期の市販薬として知名度が高いのが「命の母」シリーズです。複数の生薬とビタミンなどを配合し、更年期に起こりやすい複数の症状にまとめて働きかけるよう設計されています。
・命の母A:更年期世代向け。13種の生薬にビタミン類などを配合し、のぼせ・冷え・イライラ・疲れなど幅広い不調に。
・命の母ホワイト:生理前後の不調(PMS・生理痛・冷え)など、比較的若い世代の女性向け。
体質・症状で選ぶ代表的な漢方3つ

「自分の症状に合わせてピンポイントで選びたい」という場合は、次の3つの漢方が更年期によく使われます。出やすい症状とタイプで使い分けます。
| 漢方 | 向く症状 | こんなタイプに |
|---|---|---|
| 加味逍遙散(かみしょうようさん) | イライラ・のぼせ・不安・不眠 | 疲れやすく、気分の浮き沈みや精神症状が強いタイプ |
| 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) | のぼせ・赤ら顔・肩こり・頭痛 | 比較的体力があり、血の巡りの滞り(瘀血)があるタイプ |
| 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) | 冷え・むくみ・疲労・貧血傾向 | 体力が低めで、冷えや顔色の悪さが気になるタイプ |
イライラ・気分の浮き沈みが強いなら:加味逍遙散
ほてりやのぼせに加えて、イライラ・不安・不眠など精神面の症状が目立つタイプに向きます。更年期の代表的な漢方の一つです。
のぼせ・赤ら顔・肩こりが強いなら:桂枝茯苓丸
比較的体力があり、のぼせるのに足は冷える、赤ら顔、肩こり・頭痛が気になるタイプに。血の巡りの滞りを整えます。
冷え・むくみ・疲れやすさが強いなら:当帰芍薬散
体力が低めで、冷え・むくみ・疲労・顔色の悪さが気になるタイプに向きます。
市販薬・漢方で様子を見ず、受診したほうがよいサイン
更年期と思っていても、別の病気が隠れていることがあります。次のような場合は婦人科などの受診をおすすめします。
・気分の落ち込みが強く、眠れない・食べられない・何も楽しめない状態が続く(うつの可能性)
・不正出血がある
・動悸・息切れ・体重の急な増減(甲状腺の病気などの可能性)
・市販薬・漢方を2〜4週間続けても改善しない
・症状が日常生活に支障をきたすほど強い(ホルモン補充療法などの相談を)
漢方を上手に使うコツと注意点
・すぐに効果が出なくても、まず数週間続ける:漢方は体質に働きかけるため、ある程度の継続が必要です。
・甘草を含む漢方の重複に注意:複数の漢方を併用すると甘草が重なり、むくみや血圧上昇の原因になることがあります。
・持病や服用中の薬がある人は薬剤師に相談:特に高血圧・心臓・腎臓の薬を使っている場合は確認を。
よくある質問(FAQ)
Q. 命の母と漢方、どちらを選べばいい?
A. 「いろいろな症状がまんべんなくつらい」なら配合バランス型の命の母A、「特定の症状(イライラ・冷えなど)が際立つ」なら体質に合う漢方を選ぶのがおすすめです。
Q. 漢方どうしは併用できますか?
A. 自己判断での併用は、甘草などの成分が重なるため避けたほうが無難です。薬剤師に相談してください。
Q. 効果が感じられないときは?
A. 2〜4週間試しても変化がなければ、体質に合っていない可能性があります。別のタイプを検討するか、婦人科に相談しましょう。
まとめ
更年期の不調は、原因が一つに絞れないからこそ、自分のつらい症状と体質に合わせた選び方が大切です。幅広い症状にまとめて対応したいなら命の母A、症状がはっきりしているなら加味逍遙散(イライラ)・桂枝茯苓丸(のぼせ・肩こり)・当帰芍薬散(冷え・むくみ)が選択肢になります。つらさが強いときや改善しないときは、我慢せず婦人科に相談してください。
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この記事を書いた人
メイ(現役薬剤師・調剤歴15年)
製薬会社の研究職から調剤薬局へ転職。岩手で管理薬剤師を経験後、東京でパート薬剤師として3人の子育てをしながら施設在宅メインで働いています。

