「どうせ食品だから、何を飲んでも大丈夫でしょ」——そう思ってサプリを選んでいませんか?15年間、調剤現場でサプリと薬の飲み合わせ相談を受け続けてきた私が、「もっと早く知っておいてほしかった」と感じるポイントを5つにまとめました。サプリを買う前に、ぜひ一度確認してみてください。
なぜ「市販サプリ=安全」ではないのか
サプリメントは「食品」として販売されているため、医薬品のような厳格な審査を経ていません。つまり、すべての薬との相互作用が検証されているわけではないのです。「データがない=安全」ではなく、「データがない=わからない」——この認識が、サプリ選びの大前提です。
また、「天然由来」「植物性」という言葉に安心感を覚える方も多いのですが、天然であることと安全であることはイコールではありません。現場では、天然ハーブのサプリが処方薬の効果を大きく変えてしまったケースを何度も目にしてきました。
この記事は、処方薬を飲んでいる方だけでなく、「薬は飲んでいないからサプリは自由に選べる」と思っている方にもぜひ読んでほしい内容です。
確認ポイント① 飲んでいる薬・サプリをすべてリストアップする
新しいサプリを始める前に、まず今飲んでいるものを紙に書き出してください。処方薬はもちろん、市販の風邪薬・胃薬・栄養ドリンク、そして他のサプリも含めて全部です。
薬剤師として服薬指導をしていると、「サプリは薬じゃないから伝えなくていいと思っていた」とおっしゃる患者さんが非常に多いのです。しかし、サプリが処方薬の効果を増強したり、減弱させたりするケースは珍しくありません。リストがあれば、薬剤師への相談もスムーズになります。
現場エピソード
血圧の薬を飲んでいた患者さんが、健康のために複数のサプリを始めていました。リストアップしてみると7種類。それぞれは問題なくても、組み合わせて肝臓への負担が重なる可能性があることをお伝えしました。「こんなにあったとは気づかなかった」とおっしゃっていたのが印象的でした。
確認ポイント② 成分名を必ずチェックする
「〇〇配合」「〇〇エキス」という商品名だけ見ていると、実際に何が入っているか見落としがちです。成分表示の小さい文字まで必ず確認してください。特に注意が必要な成分を以下にまとめました。
| 成分名 | 注意が必要な理由 | 特に注意すべき薬 |
|---|---|---|
| セントジョーンズワート | 多くの薬の血中濃度を下げる酵素を活性化する | ワーファリン・避妊薬・抗HIV薬など多数 |
| ビタミンK | 血液凝固に関わり、抗凝固薬の効果を弱める | ワーファリン(ワルファリン) |
| 高用量ビタミンE | 抗凝固作用を増強し、出血リスクが高まる可能性 | ワーファリン・アスピリンなど |
| バレリアン・カバ | 中枢神経を抑制し、眠気・鎮静が過剰になる | 睡眠薬・抗不安薬・抗うつ薬 |
| 鉄・カルシウム・マグネシウム | 一部の薬と結合して吸収を妨げる | 甲状腺薬・抗生物質など |

確認ポイント③ 用量を守る——「多いほど効く」は危険な思い込み
サプリに表示されている「1日の目安量」は、安全性を考慮して設定されています。「どうせ食品だから多く飲んでも大丈夫」と思いがちですが、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)は体内に蓄積されるため、過剰摂取で副作用が起きることがあります。
特に注意したいのが、ビタミンAの過剰摂取です。妊娠中の方が高用量のビタミンAを摂ると、胎児に影響が出る可能性があることが知られています。「天然由来だから大丈夫」という思い込みが、思わぬリスクにつながることがあるのです。
⚠️ 注意
「効果を早く出したい」からといって用量を増やすのは禁物です。水溶性ビタミンは過剰分が排出されますが、脂溶性ビタミンは蓄積されます。必ず表示の用量を守ってください。
確認ポイント④ 信頼できるメーカーを選ぶ
サプリメントは品質管理のレベルがメーカーによって大きく異なります。選ぶ際の目安として、以下のポイントを参考にしてください。
- GMP(Good Manufacturing Practice)認定工場で製造されているか
- 成分・含有量が明確に表示されているか
- 製造国・製造元が明記されているか
- 過剰な効果をうたっていないか(「病気が治る」などの表現は薬機法違反)
SNSや口コミだけを根拠に選ぶのではなく、成分表示をきちんと確認する習慣をつけてください。「有名ブランドだから安心」という思い込みも、ときとして危険なことがあります。
確認ポイント⑤ 必ずかかりつけ薬剤師に相談する
上記4つを確認したうえで、最後に必ずやってほしいことがあります。それが、かかりつけ薬局の薬剤師への相談です。
「こんなことを聞いていいのかな」「忙しそうで申し訳ない」——そんなふうに遠慮される方がとても多いのですが、飲み合わせの確認はまさに薬剤師の専門領域です。処方薬を飲んでいる方はもちろん、「薬は飲んでいないけれど、何種類かサプリを飲んでいる」という方も、ぜひ一度相談してみてください。
現場エピソード
「先生に怒られそうで言えなかった」と、処方薬と5種類のサプリを長期間併用していた患者さん。かかりつけ薬局で相談を受け、担当医への情報共有をお手伝いしました。薬剤師は患者さんと医師の橋渡し役でもあります。どうか遠慮なく声をかけてください。
まとめ:サプリを買う前の5つのチェックリスト
- 今飲んでいる薬・サプリをすべてリストアップしたか
- 新しいサプリの成分名を確認したか
- 用量を守って飲む予定か(増量していないか)
- GMP認定など、信頼できるメーカーを選んだか
- かかりつけ薬剤師に相談したか

この5つを習慣にするだけで、サプリによるリスクは大幅に下げられます。「サプリは食品だから自由に飲める」という思い込みを見直すきっかけになれば、薬剤師としてこれほど嬉しいことはありません。
飲み合わせが不安な方へ
「このサプリは大丈夫?」と思ったら、自己判断せずかかりつけ薬局の薬剤師に確認してください。お薬手帳にサプリ名を記録しておくと、相談がスムーズになります。また、ワーファリン(ワルファリン)服用中の方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
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この記事を書いた人
メイ|現役薬剤師
調剤薬局に勤続15年の現役薬剤師。服薬指導と医薬品情報管理(DI)を専門とし、これまで数千件以上の服薬指導に携わってきました。「難しい薬の知識をわかりやすく」をモットーに、現場のリアルな経験をもとに発信しています。→ プロフィール詳細はこちら
※本記事は薬剤師による一般的な情報提供を目的としており、個別の医療アドバイスではありません。気になる症状・服薬内容については必ず担当医・薬剤師にご相談ください。

