同志社大学政策学部の根岸祥子准教授は、国際金融と国際開発研究の分野において、理論と実務の両面から深い洞察を提供する専門家です。
特に、世界銀行でのエコノミストとしての経験と、国内外の著名な学府で培った計量経済学の知識を融合させ、国境を越える資本の流れが世界経済や開発途上国に与える影響を多角的に分析されています。
本記事では、根岸准教授の異色のキャリア、教育への熱意、そして最新の研究テーマを紐解き、その人物像に迫ります。
根岸祥子のプロフィールと専門分野
- 名前:根岸 祥子(ねぎし しょうこ)
- 出身地:神奈川県横浜市
- 趣味:旅行、海外クライムミステリードラマを観ること
- 好きな都市:ロンドン
- 座右の銘:When in Rome…(「郷に入っては郷に従え」という英語のことわざ「When in Rome, do as the Romans do」の略)
- 家族:夫、子供一人
そして、チャームポイントは左眉(右は動かさず左だけ上げられるので)、あだ名は”ねぎちゃん”とゼミ生に紹介される親しみやすい先生のようです!
専門分野
根岸准教授の主要な研究テーマは、「先進国・開発途上国における国際資本の役割」と「国際資本投資と政策の役割」です。
- キーワード: 直接投資 (FDI)、国際M&A、開発援助 (ODA)、投資環境、国際金融市場
- 研究の核心: 国境を越えて流れる「お金」が、国や地域の経済発展、そして人々の生活にどのような影響を与えているのかを、計量的な手法と政策的視点から解き明かします。特に、アジア金融危機や新興国の成長と課題に強い関心を持たれています。
学歴
- 慶應義塾大学 商学部 卒業
- 慶應義塾大学 商学研究科 修士課程修了(計量経済学専攻)
- 英国オックスフォード大学 セントアントニーズカレッジ にて国際開発経済学を修学
根岸祥子の経歴:実務と学術の融合
根岸准教授のキャリアは、実務と学術が融合している点に大きな特徴があります。
| 期間 | 所属・役職 | 役割と貢献 |
| 1997年〜2002年 | 世界銀行(World Bank)開発予測局 国際金融部 エコノミスト | 途上国の債務問題や国際資本移動に関する分析を担当。国際的な開発現場の現実を肌で知り、その後の研究の基盤を築きました。 |
| 2002年〜2004年 | 神戸大学大学院 経済学研究科 助教授 | 世界銀行での経験を携え、日本の高等教育機関での教育・研究活動を開始。 |
| 2004年〜現在 | 同志社大学 政策学部 准教授 | 政策学部の中核教員として、国際金融・政策分析のエキスパート育成に尽力。 |
この世界銀行での実務経験は、根岸准教授の授業やゼミ指導において、理論を現実世界の課題に結びつける実践的な視点として、活かされています。
根岸祥子の主な著書と学術的貢献
根岸准教授は、国際金融の専門家として、危機分析やアジア経済に関する重要な書籍を世に送り出しています。
- 共著『アジア金融危機―再生と今後』(ミネルヴァ書房、2004年):1997年のアジア金融危機が各国に与えた影響と、その後の経済・金融システムの再生プロセスを分析した書籍。根岸准教授の専門性が色濃く反映されています。
- 分担執筆『世界と日本の視点から学ぶ経済学入門』(ミネルヴァ書房、2012年):経済学の基本を、グローバルな視点からわかりやすく解説する入門書に貢献しています。
根岸祥子のゼミ活動と教育姿勢
根岸ゼミ(演習)は、学生が国際的な課題を自ら分析し、政策を提言する能力を身につける場として知られています。
- 活動の柱: 文献輪読による理論基礎の確立、データ分析による計量スキル習得、そして政策提言を目指した研究テーマの探求。
- 実践的な学び: ゼミでは、国際機関や企業などへの訪問、そして他大学との合同研究発表会への参加を奨励しています。これは、国際金融・開発の「現場」とアカデミックな知識を結びつけることを目的としています。
- 指導スタイル: 世界銀行での経験に基づき、学生の議論に対して「実務の世界ではどうか」「政策決定者は何を考慮するか」という現実的な問いを投げかけ、学生が単なる理論家ではなく、問題を解決できる政策家を目指せるよう指導されています。
これらの活動を通じて、根岸准教授は学生の知的好奇心を刺激し、国際社会で通用する多角的な視点と分析力を育んでいます。
根岸祥子准教授は、”ゼミ生の相談にはとても親身にのってくれる”と評判です!
そして、根岸ゼミ卒業生はみんな、「根岸先生のゼミで良かった」と。
学生想いのいい先生ですね!
クローズアップ現代「令和のゴールドラッシュ 空前の金価格高騰で日本・世界は」
根岸准教授は、金価格高騰という現象を、単なるブームではなく、国際金融構造の転換というマクロな視点から深く分析し、以下の点を指摘すると推測されます。
- 安全資産としての構造的な需要増: 世界的な地政学リスクの高まりに対し、投資家や中央銀行が特定の通貨に依存しない安全資産としての金への集中投資を行っていることを、国際資本移動の観点から解説するでしょう。
- 中央銀行の「脱ドル化」戦略: 特に新興国による金の大口購入は、米国の金融政策や制裁リスクへの対策としての国家戦略を反映しており、これが金価格の構造的な上昇圧力となっている点を指摘すると予想されます。
- 日本の金融政策と円建て価格への影響: 国際的な要因と、日本の金融政策(円安)という国内の政策的要因が、円建て金価格にどのように複合的に作用しているのかを、専門的に分析されると見られます。
国際金融のエキスパート・根岸祥子准教授(同志社大学)の経歴とプロフ【クロ現】まとめ
根岸祥子准教授は、世界銀行での実務経験を研究と教育に還元し、国際金融・国際開発の分野で多大な貢献を続けています。
その指導は、学生に理論だけでなく、データ分析能力と政策提言能力という実践的なスキルをもたらし、グローバル社会で活躍する人材を育成しています。
クローズアップ現代への出演は、その確かな専門知識と洞察力が、複雑化する現代の経済問題を理解する上で不可欠であることを示しています。
根岸准教授の今後の研究活動と、次世代の政策家を育成する教育活動から、ますます目が離せません。
最後までお読みいただきありがとうございました。

