生活雑貨メーカー、株式会社マーナの五代目代表取締役社長、名児耶 剛(なごや ごう)。
2024年1月の就任以来、同氏が推進する「Design for Smile 暮らしを、いいほうへ。」の理念に基づいた経営手法が注目を集めています。
特に、テレビ番組『カンブリア宮殿』でも取り上げられた、日常の「違和感」から生まれる製品開発のプロセスと、名児耶氏の経営者としての覚悟、そして聖学院から学習院大学へと進んだその知的なキャリアに迫ります。
この記事では、老舗企業の伝統を背負いながら、新たなイノベーションで暮らしを豊かにし続ける、マーナの若きリーダーの素顔と戦略を徹底解説します。
名児耶剛のプロフィール・経歴
- 生年: 1983年生まれ(東京都神田出身)
- 家系・ルーツ: 創業者の名児耶寅松氏が1872年に新潟県長岡で刷毛・ブラシ製造業を興した、五代続く家系の出身
- 学歴:
- 聖学院中学校・高等学校 卒業
- 学習院大学 経済学部 卒業
- 大学卒業後、米国ニューヨークへ留学
- 学生時代のエピソード: 小学4年生から大学卒業までの13年間、野球に打ち込む生活を送りました。聖学院の野球部では、緻密に思考できる「頭脳派内野手」として活躍されていたことが、同窓会からのメッセージでも紹介されています。
- 入社前: 帰国後は発電プラント輸出商社で勤務。海外ビジネスの醍醐味を経験しました。
- 株式会社マーナ入社: 2011年に入社。
- 役員歴: 2013年 取締役、2018年 専務取締役に就任し、経験を積んだ上で、2024年1月1日付で五代目代表取締役社長に就任されました。
会社を継ぐ「運命」と「覚悟」
名児耶剛社長は、当初英語教師を志望していましたが、3代目社長である祖父からの「継いでくれないのか…」という寂しそうな一言を聞き、会社を継ぐことを「運命」として覚悟を決めました。
この決断の背景には、長年にわたり会社を存続・成長させてきた先輩方への感謝と、家業に対する強い責任感があります。
名児耶剛が語る「当たり前」と「伸びしろ」
名児耶氏は、入社後、会社が多くの人々に支持され、ヒット商品に恵まれていた状況は、歴代の先輩方が苦労を重ねて生み出した成果であることに気づき、感謝の念を持つようになったと振り返っています。
- 「当たり前」はない: 今ある成功は先輩方の努力の賜物であり、「当たり前」の状況ではないことを常に意識。
- 「伸びしろ」にワクワク: 会社に足りない状況も「まだ伸びしろだらけだ」とポジティブに捉え、イノベーションに挑戦する姿勢を持つ。
- 自責の念: どんな状況でも他責せず、自らの選択の結果として現状を受け入れ、「自責の念を持ち続けていく」と決意を語る。
マーナのものづくりへの視点
マーナがデザイン性の高い製品を生み出し続ける秘訣の一つとして、社員全員が参加する製品開発のスタイルを挙げています。
開発チームだけでなく、営業やバックオフィスの社員も参加し、日々の暮らしで感じた「違和感」を持ち寄ることで、多様な視点から「ここはもっと良くなる」という意見を集め、ユーザーに寄り添ったものづくりを実践しています。
名児耶社長の「気づき」とマーナを代表するヒット商品
名児耶氏の哲学を体現する製品や、会社を代表するロングセラーは、一貫して「不便の解消」と「デザイン」を両立しています。
1. 社長の「気づき」から生まれた製品
- ドアストッパー
- 開発背景: 「家族がドアストッパーを使う時、固定は足で簡単にできるけれど、解除するのが大変そう」という社長自身の気づきから開発が始まりました。
- 製品特徴: マグネットでドアに取り付け、固定は足でペダルを踏み込むだけ。解除はドアを外側に軽く押すだけでスムーズにできる設計です。
- 評価: 荷物を持って両手がふさがっている時などの不便を解消した点が評価され、グッドデザイン賞を受賞しました。
2. 暮らしのストレスを減らすロングセラー
- 一気にたためるバッグ「Shupatto(シュパット)」
- 特徴: シリーズ累計で1,700万個以上を売り上げた大ヒット商品。
- 不便の解消: エコバッグを畳むのが面倒というストレスを、「両端を引っ張るだけで一気にたためる」という構造で解決しました。
- おさかなスポンジ
- 特徴: 累計4,000万個以上を販売したマーナの代名詞的ロングセラー。
- 不便の解消: 手によく馴染む魚の形と、泡立ち・水切れの良さを徹底的に追求。
- 立つしゃもじ
- 不便の解消: ご飯がこびりつきにくく、そのまま卓上に自立するアイデアで、しゃもじの置き場所に困る問題を解決。
- GOOD LOCK CONTAINER 調味料ポット
- 不便の解消: 調味料が湿気で固まる問題をパッキンで防ぎつつ、調理中に片手で開けられる操作性を両立。
マーナ社長名児耶剛の経歴プロフまとめ!違和感が生むヒット商品戦略を紹介【カンブリア宮殿】まとめ
株式会社マーナ新社長、名児耶剛氏が目指すのは、「日々の生活を豊かにする製品を作り、1人でも多くのお客様に届ける」ことです。野球部での「頭脳派内野手」としての経験が示すように、彼の経営戦略は緻密な思考に基づいています。
社長自身の「ドアストッパーの解除が大変そう」という日常の小さな違和感を起点に、社員全員の視点を取り入れた製品開発を徹底。これにより、「Shupatto(シュパット)」や「立つしゃもじ」といった、使う人のストレスを根本から解消するヒット商品を生み出し続けています。
名児耶氏が掲げる「まだ伸びしろだらけだ」というポジティブな挑戦心と、「自責の念を持ち続ける」という強い覚悟は、150年の歴史を持つマーナを、今後さらに新しい価値を創造する企業へと導いていくでしょう。若きリーダーによる、生活雑貨業界における今後の動向に期待が集まります。
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