NHK『首都圏情報 ネタドリ!』の放送をご覧になり、骨折の恐ろしさと「骨卒中」という言葉の重みに驚かれた方も多いのではないでしょうか。
番組でも紹介された浅野 聡(あさの さとし)医師は、東埼玉総合病院を拠点に、日本の脊椎外科と骨粗鬆症治療の概念を根底から変えようとしているフロントランナーです。
「手術を成功させるのは当たり前。その先の『寝たきり』をゼロにするのが私の使命だ」と語る浅野医師。
その圧倒的な経歴から、研究への情熱、そして一人の外科医を突き動かした魂のエピソードまで、徹底解説します。
浅野 聡 医師のプロフィール・経歴
浅野医師は、日本の整形外科、特に脊椎(背骨)の疾患における第一人者です。
そのキャリアは常に「いかにして患者の体を再建するか」という技術研鑽と共にありました。
主な経歴
- 1982年: 北海道大学医学部卒業。その後、同大学院にて医学博士号を取得。
- 1989年: 北海道大学医学部付属病院 助手。
- 2002年: スイスのシュルテスクリニック(Schulthess Klinik)へ留学。欧州の洗練された脊椎外科手術を習得。
- 2005年: 東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター長に就任。
- 2012年: 同病院 副病院長。
- 現在: 東埼玉総合病院 顧問、獨協医科大学 臨床教授、日本骨粗鬆症学会 評議員などを務める。
浅野医師は、日本整形外科学会の専門医であるだけでなく、脊椎脊髄外科の「指導医」として、数多くの後進の外科医を育ててきた“医師が教えを乞う医師”でもあります。
年齢の予測
浅野聡医師の正確な生年月日は公表されていませんが、経歴から推測すると、現在は67歳〜68歳(2025年12月時点)であると考えられます。
根拠となる経歴は以下の通りです。
- 1982年: 北海道大学医学部を卒業
- 1989年: 北海道大学 助手
- 2005年: 東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター長に就任
- 2012年: 同病院の副病院長に就任
通常、医学部を現役で卒業される年齢が24歳前後であるため、1982年卒という情報から逆算すると、1957年前後のお生まれと推測されます。
専門資格(一部)
- 日本専門医機構 整形外科専門医
- 日本脊椎脊髄病学会 専門医・脊椎脊髄外科指導医
- 日本骨粗鬆症学会 認定医
浅野 聡 医師の専門分野:バイオメカニクスが生む「精緻な手術」
浅野医師の専門は、単なる整形外科に留まりません。
彼の診療の根底にあるのは「バイオメカニクス(生体力学)」という視点です。
脊椎インストゥルメンテーションの権威
背骨の病気や骨折により、神経が圧迫されたり骨がグラグラになったりした場合、金属のスクリューやロッドで背骨を固定する「インストゥルメンテーション手術」が行われます。
浅野医師はこの分野の研究で知られ、「どの角度で固定すれば、骨が脆い高齢者でもインプラントが外れず、日常生活の動きに耐えられるか」を力学的に計算し、手術を設計します。
彼の執刀する手術が「安全で回復が早い」と言われるのは、この科学的な裏付けがあるからです。
浅野 聡 医師の転機となったエピソード:外科医としての「敗北」と「誓い」
浅野医師の物語を語る上で欠かせないのが、彼が「予防」に目覚めたきっかけです。
かつて、脊椎外科医として華々しい実績を上げていた浅野医師のもとに、一人の高齢女性が運び込まれました。背骨の骨折で激痛に苦しんでいた彼女に、浅野医師は持てる技術のすべてを注ぎ込み、完璧な手術を行いました。
手術は大成功。彼女は笑顔で歩いて退院していきました。
しかし、わずか数ヶ月後。
彼女は再び、今度は救急車で運ばれてきたのです。
診断は「大腿骨近位部骨折(足の付け根の骨折)」。
「背骨の手術は成功した。しかし、彼女の骨そのものがスカスカであることを見逃していた。外科医として一部分を治しただけで、彼女を寝たきりのリスクから救えていなかった……」。
この時の悔しさが、浅野医師を突き動かしました。
「手術で治すのは当たり前。しかし、手術が必要になる前の『骨折』そのものを地域からなくさなければ、本当の医療とは言えない」。
この誓いが、現在の彼の活動の原動力となっています。
浅野 聡 医師の地域を動かす「幸手(さって)モデル」と多職種連携
番組でも紹介された通り、浅野医師は病院の中だけに留まりません。
彼は埼玉県幸手市を中心に、地域全体で骨折を防ぐネットワーク「幸手モデル」を構築しました。
① 骨粗鬆症リエゾンサービス(OLS)の先駆的導入
病院内に「骨粗鬆症リエゾンチーム」を結成。
医師だけでなく、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士が連携します。
「医師には聞きにくい薬の不安を薬剤師が聞く」
「食事の改善を栄養士が提案する」
「転ばない体作りを理学療法士が指導する」
この多角的なアプローチにより、一度骨折した患者が二度目の骨折を起こす「二次骨折」の発生率を劇的に低下させました。
② 歯科医師会との強力なタッグ
浅野医師が特にユニークなのは、歯科との連携です。
「口の健康は骨の健康」を合言葉に、地域の歯医者さんと連携。骨粗鬆症の薬を安全に使うためのチェック体制を整えました。
また、歯周病がある人は骨粗鬆症になりやすいというデータに基づき、口の中からの早期発見を促しています。
③ 骨折予防の「おせっかい」な仕組み
東埼玉総合病院では、整形外科以外の科(内科や外科など)に入院した患者さんに対しても、骨折のリスクがあればOLSチームが積極的に介入します。
まさに「寝たきりゼロ」を目指す執念が生んだ、愛ある「おせっかい」の仕組みです。
骨粗鬆症の最新治療:骨を「作り直す」戦略
浅野医師が実践する骨粗鬆症治療は、2025年現在、非常に戦略的です。
- 「骨を作る薬」による先制攻撃(逐次療法)骨密度が極めて低い患者には、まず1年間「骨を作る作用」が非常に強い注射薬(イベニティなど)を使用し、一気に骨量を増やします。その後、増やした骨を維持する薬に切り替える「逐次療法」を行い、短期間で骨折リスクを下げます。
- BKP(バルーン椎体形成術)脊椎圧迫骨折の激痛に対し、骨の中に風船を入れて膨らませ、セメントで固める低侵襲手術です。浅野医師の熟練した技術により、手術当日から歩行が可能になる方も多く、高齢者のADL(日常生活動作)低下を最小限に抑えます。
受診のステップ:浅野医師に相談するには
『ネタドリ!』を見て、「自分も診てほしい」「親の骨が心配」と思われた方は、以下のステップで相談することをお勧めします。
ステップ1:紹介状を用意する
東埼玉総合病院の埼玉脊椎脊髄病センターは高度専門医療機関です。
まずは近所のかかりつけ医(整形外科や内科)を受診し、「東埼玉総合病院の浅野聡先生に相談したい」と伝えて紹介状(診療情報提供書)を書いてもらってください。
これが最もスムーズに専門的な検査を受ける方法です。
ステップ2:予約センターへ電話
紹介状を用意した上で、病院の予約センター(0480-40-1311 ※代表経由)に電話し、脊椎脊髄病センター(整形外科)の予約を取ります。
ステップ3:DXA(デキサ)法による精密検査
受診すると、浅野医師の監修のもと、世界標準である「DXA法」による骨密度測定が行われます。
これに血液検査(骨代謝マーカー)を組み合わせ、あなたに最適な「オーダーメイドの治療計画」が立てられます。
院の最新情報を公式サイト(東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター)でご確認ください。
まとめ
「骨折は、不運ではありません。防げる事故なのです」。
浅野医師はこの言葉を、毎日診察室で繰り返しています。
彼の活動は、一人の名医による神業的な手術を超え、地域全体で高齢者を支える「大きな仕組み」へと進化しました。
もしあなたが、あるいはあなたの大切な人が「もう歳だから腰が痛いのは仕方ない」と諦めているのなら、ぜひ浅野医師の門を叩いてみてください。
そこには、「一生自分の足で歩く」という、人生において最も価値のある自由を守るための、情熱と科学に基づいた最前線の医療が待っています。
さらに詳しく知りたい方へ:東埼玉総合病院の公式サイトでは、浅野医師による骨粗鬆症解説動画や、リハビリテーションの具体的な方法も公開されています。ぜひ併せてチェックしてみてください。
東埼玉総合病院の公式サイト ➡ https://saitama.jinai.jp
本記事の執筆にあたって: 東埼玉総合病院の公式サイトおよび、浅野医師が寄稿されている日本骨粗鬆症学会等の公開情報を参考に構成いたしました。受診の際は必ず病院の最新情報を公式サイト(東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター)でご確認ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。

